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執筆者:Hakky AI

【基本手順】定性調査レポートの作成方法|分析方法も解説

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記事のポイント
  • 定性調査は、顧客の深層心理や行動の背景を理解するのに不可欠であり、インタビュー等で質的データを分析。
  • データ収集では、録音や映像を活用し正確に記録。データ整理では、アフターコーディングで構造化。
  • 分析結果の解釈では、客観的な視点を保ち、具体的な事例や引用を交え詳細な情報を提供することが重要。

はじめに

本記事では、定性調査レポートの作成に焦点を当て、その基本手順から分析方法、整理のコツまでを網羅的に解説します。

定性調査は、定量調査では捉えきれないユーザーの深層心理や行動の背景を理解するために不可欠です。インタビューや観察を通じて得られた質的なデータを、いかに効果的に分析し、レポートに落とし込むかが重要となります。

この記事を通じて、定性調査レポート作成のプロセスを明確にし、より深い洞察を得るための一助となれば幸いです。

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定性調査とは?基本と定量調査との違い

定性調査は、数値では測れない意見や感情を深く理解するための手法です。ここでは、定性調査の基本と、定量調査との違いについて解説します。

定性調査の定義と目的

定性調査とは、対象者の行動や感情の背景にある理由や意味を明らかにする調査手法です。数値化が難しい情報を深く掘り下げ、対話や観察を通じて人々の価値観や思考プロセスを理解することを目的とします。

例えば、消費者のニーズを把握したり、商品・サービスの改善点を洗い出したり、ブランドイメージを理解するために用いられます。定性調査は、消費者の意見や感情を直接収集し、数値データだけでは見えてこない質的な情報を得るために不可欠です。

具体的には、インタビューやグループディスカッションを通じて、商品購入の決め手やサービスへの不満の原因など、消費者の心理的な背景を探ります。この調査を通じて、企業は顧客のニーズをより深く理解し、製品開発やマーケティング戦略に活かすことができます。定性調査は、顧客の声を直接聞くことで、潜在的なニーズや改善点を発見するための重要な手段となります。

定量調査との違い

定量調査は、数値データを基に分析を行う調査手法であり、定性調査とは根本的に異なります。定量調査では、アンケートや統計データを用いて、大規模なサンプルから客観的な数値を収集します。

一方、定性調査は、インタビューや観察を通じて、少数のサンプルから深い洞察を得ることを目指します。定量調査は、市場の規模や傾向を把握するのに適しており、例えば、特定の商品の市場シェアや顧客満足度を数値で示すことができます。

これに対し、定性調査は、顧客がなぜその商品を選んだのか、どのような感情を抱いているのかといった、数値では表せない情報を明らかにします。例えば、新商品の開発において、定量調査で市場のニーズを把握し、定性調査で顧客の潜在的な要望を探るといった使い分けが考えられます。このように、定量調査と定性調査は、それぞれ異なる目的と手法を持ち、互いに補完し合うことで、より深い市場理解を可能にします。

調査手法データの種類サンプルの規模目的
定量調査数値データ大規模市場の規模や傾向の把握
定性調査質的な情報(意見、感情)小規模深い洞察、潜在的なニーズの発見

定性調査が有効なケース

定性調査は、新しい製品やサービスを開発する初期段階で特に有効です。消費者のニーズや要望を深く理解するために、インタビューやグループディスカッションを通じて、潜在的なニーズや不満を明らかにします。

例えば、ある食品メーカーが新しい健康食品を開発する際に、定性調査を実施し、消費者が健康食品に求める要素や味の好みを把握することができます。

また、既存の製品やサービスの改善にも定性調査は役立ちます。顧客が製品やサービスに対してどのような不満を持っているかを把握し、具体的な改善策を検討することができます。

例えば、あるオンラインショッピングサイトが、顧客の購買体験を向上させるために、定性調査を実施し、サイトの使いやすさや商品の探しやすさに関する意見を収集することができます。

さらに、ブランドイメージの構築や再評価にも定性調査は有効です。消費者がブランドに対してどのようなイメージを持っているかを把握し、ブランド戦略を最適化することができます。

例えば、あるアパレルブランドが、ブランドイメージを刷新するために、定性調査を実施し、ターゲットとする顧客層の価値観やライフスタイルを理解することができます。

定性調査レポート作成の基本手順

定性調査レポートを作成するための基本的な手順を解説します。各ステップにおける重要なポイントを押さえ、効果的なレポート作成を目指しましょう。

データ収集

定性調査におけるデータ収集は、インタビュー、観察、文献調査など多岐にわたります。インタビューでは、対象者の発言を正確に記録するために、録音や映像を活用することが重要です。

事前に録音機器を準備し、対象者の基本情報や関連資料を収集することで、インタビューの質を高めることができます。観察では、対象者の行動や環境を詳細に記録し、客観的な視点からデータを収集します。文献調査では、既存の研究や資料を参考に、調査テーマに関する背景知識を深めます。

効果的なデータ収集のためには、明確な問題設定と質問設計が不可欠です。対象者に適切な質問を導き出すことで、より深い洞察を得ることができます。また、収集したデータは、後の分析のために整理しやすい形式で保存することが重要です。

例えば、インタビューの記録は、テキストデータとして保存し、観察データは、写真や動画とともに詳細なメモを添えて保存します。これらのデータを適切に管理することで、分析の効率を高めることができます。

データ収集の際には、倫理的な配慮も忘れてはなりません。対象者には、調査の目的やデータの利用方法を十分に説明し、同意を得ることが重要です。また、個人情報保護法などの関連法規を遵守し、プライバシーに配慮したデータ収集を心がけましょう。これらの注意点を守ることで、信頼性の高いデータを収集することができます。

データ整理

収集したデータを整理し、分類することは、定性調査レポート作成において非常に重要なステップです。まず、インタビュー記録や観察データなどの質的データをテキスト形式に変換し、ExcelやWordなどのツールを用いて整理します。

発言録を作成し、発言をグループごとに振り分けることで、傾向やパターンをつかみやすくなります。次に、アフターコーディングという手法を用いて、発言にコードを割り当ててデータを構造化します。これにより、比較や関連付けが容易になり、データ分析の効率が向上します。

データ整理の際には、データの種類や量に応じて適切なツールを選択することが重要です。例えば、大量のテキストデータを扱う場合には、テキストマイニングツールや自然言語処理技術を活用することで、効率的にデータを整理することができます。

また、データ整理の際には、データの正確性を確保することが重要です。誤字脱字や解釈の誤りがないかを確認し、必要に応じて修正を行います。さらに、データの整理方法を統一することで、分析の際にデータの比較や統合が容易になります。

例えば、インタビュー記録のフォーマットやコードの割り当てルールを統一することで、複数のインタビューデータをまとめて分析することができます。これらのデータ整理のテクニックを活用することで、定性調査のデータを効果的に分析し、意味のある洞察を引き出すことができます。

データ分析

整理されたデータを分析し、意味のある洞察を引き出すことは、定性調査レポート作成の中核となるプロセスです。質的データの分析手法としては、内容分析、テーマ分析、グラウンデッド・セオリーなどがあります。

分析手法概要
内容分析テキストデータに含まれるキーワードやフレーズの出現頻度を分析し、データの傾向を把握
テーマ分析データ全体を読み込み、共通するテーマやパターンを抽出
グラウンデッド・セオリーデータから理論を構築することを目指し、帰納的なアプローチで分析を進める

データ分析の際には、分析の目的を明確にすることが重要です。どのような問いに答えたいのか、どのような洞察を得たいのかを明確にすることで、分析の方向性を定めることができます。

また、分析の際には、先入観や偏見を排除し、客観的な視点からデータを見ることが重要です。分析結果を解釈する際には、データの文脈を考慮し、表面的な解釈に留まらず、より深い意味を探求することが求められます。

例えば、インタビューの発言だけでなく、発言時の表情や口調、周囲の状況なども考慮することで、より豊かな解釈が可能になります。これらの分析手法と注意点を踏まえ、定性調査のデータを深く掘り下げることで、価値ある洞察を得ることができます。

レポート作成

分析結果を基にレポートを作成する段階では、明確で分かりやすい構成と表現が求められます。まず、レポートの目的と概要を冒頭で述べ、読者がレポート全体の流れを把握できるようにします。

次に、データ収集、データ整理、データ分析の各ステップについて、具体的な方法や結果を詳細に記述します。分析結果を示す際には、図表やグラフを効果的に活用し、視覚的に分かりやすく表現することが重要です。

レポートの構成要素としては、序論、本論、結論の3つが基本となります。序論では、調査の背景や目的、調査方法などを記述します。本論では、分析結果を詳細に記述し、具体的な事例や引用を交えながら、論理的に展開します。結論では、分析結果から得られた洞察や示唆をまとめ、今後の展望や提言を示します。

レポート作成の際には、読者の視点を考慮し、専門用語や難解な表現を避けることが重要です。また、文章の構成や表現に一貫性を持たせ、読みやすいレポートを作成することが求められます。

さらに、レポートの信頼性を高めるために、データの出典や参考文献を明記し、客観的な根拠を示すことが重要です。これらの構成と表現のコツを踏まえ、定性調査レポートを効果的に作成することで、調査結果を関係者に適切に伝えることができます。

インタビュー内容の効果的な整理・分析方法

インタビューデータの整理と分析は、定性調査の核心です。ここでは、インタビューデータを構造化し、質的データを分析する具体的な手法、そして分析結果を解釈する方法について解説します。

インタビューデータの構造化

インタビューデータを構造化する最初のステップは、逐語録の作成です。インタビュー音声の内容をテキスト化し、発言内容を詳細に記録します。逐語録作成時には、発言だけでなく、「えーと」などの言葉や沈黙も記録し、重要な発言には印をつけておくと、後で必要な情報を抽出しやすくなります。

次に、作成した逐語録を基に、アフターコーディングを行います。アフターコーディングでは、インタビュー内容から抽象的な概念やラベルを付与し、データを整理します。具体的には、語りを小さな塊に分け、「連番」「語り」「見出し」「要約」「コード」を置くセルを作成します。連番を付与することで、後で似たコードをまとめる際に話の順序が把握しやすくなります。また、語りの内容を簡潔に表現する見出しをつけることで、データの構造化を促進します。さらに、スケルジョナルを設定し、見出しを説明できそうな文献を探すことで、分析の深さを増すことができます。これらの手順を踏むことで、インタビューデータは構造化され、分析可能な状態になります。

質的データの分析手法

質的データの分析には、アフターコーディングKJ法など、さまざまな手法があります。アフターコーディングは、インタビューの逐語録に対して抽象的な概念やラベルを付与する方法です。この手法を用いることで、データに埋もれた潜在的なテーマやパターンを抽出できます。

KJ法は、収集した情報をカードに記述し、似た情報をグループ化して、問題解決やアイデア創出につなげる手法です。KJ法を用いることで、複雑な情報を整理し、新たな視点や発想を得ることができます。カテゴリーを作成し、差異のないコードをまとめることで、データの構造を明確にします。これらの分析手法を組み合わせることで、質的データからより深い洞察を得ることが可能になります。

また、分析結果をストーリーラインとしてまとめることで、データの背後にある意味や関係性を明確にすることができます。ストーリーラインのまとめでは、類似したコードをまとめ、カテゴリ名をつけて、カテゴリ間の因果関係を図に表します。コードをグループに分け、それぞれのグループに見出しをつけ、グループ間の相互関係や包含関係を図に表し、グループ間の関係をまとめます。

分析結果の解釈

分析結果を解釈する際には、客観的な視点を保つことが重要です。インタビューデータから得られたコードやカテゴリー間の関係性を基に、ストーリーラインを構築し、データ全体の意味を理解します。この際、先行研究と比較検討することで、新たな仮説や知見を見出すことができます。

分析結果の解釈においては、バイアスを避けるために、質問の表現や環境に注意を払う必要があります。曖昧ではなく明確で具体的な言葉を使用し、質問の順序が回答者の答え方に影響を与えないように、論理的かつ自然な流れで質問を準備します。インタビュアーの表情、ジェスチャー、姿勢などの非言語的な反応が、回答者の答えに影響を与えることがあるため、できるだけ中立的な態度を維持するよう心掛けます。

また、分析結果が過度に当たり前と見られてしまうストーリーラインになっていないか、常に振り返ることが重要です。分析結果を解釈する際には、データの背後にあるコンテキストを考慮し、多角的な視点から考察することで、より深い洞察を得ることができます。

分析手法概要目的
アフターコーディングインタビューの逐語録に対して抽象的な概念やラベルを付与データに埋もれた潜在的なテーマやパターンを抽出
KJ法収集した情報をカードに記述し、似た情報をグループ化複雑な情報を整理し、新たな視点や発想を得る

膨大な定性情報の整理術:データマッピングとKJ法

定性調査で得られた大量の情報を整理するには、データマッピングやKJ法が有効です。これらの手法を用いることで、複雑なデータを視覚的に捉え、構造化することができます。

データマッピングの活用

データマッピングは、収集した情報を視覚的に表現し、全体像を把握するための手法です。カスタマージャーニーマップを作成することで、顧客体験を可視化し、課題や改善点を見つけやすくなります。

具体的な手順としては、まず調査対象者に課題を提供し、カスタマージャーニーマップを作成してもらいます。次に、収集したデータを整理し、顧客の行動や心理を分析します。例えば、10代から50代までの顧客層を対象に、商品認知から購入に至るまでの各段階での行動や感情をマッピングすることで、年齢層ごとのニーズの違いを明確にできます。分析結果は、文章だけでなく、表や図を用いて共有することで、関係者間の共通理解を深めることが重要です。

データマッピングを活用することで、顧客理解を深め、より効果的なマーケティング戦略や製品開発に繋げることが可能になります。

KJ法のステップ

KJ法は、収集した情報を整理し、新たなアイデアを発想するための手法です。ユーザーの発言を「出来事」「心の声」「生活価値」の3つの軸で分類し、カードに記述します。

まず、グループインタビューやデプスインタビューで得られた発言を録音し、文字起こしを行います。次に、KA法を適用し、各発言を3つのエリアに分類します。例えば、

  • 「出来事のエリア」には実際の行動や事実を
  • 「心の声のエリア」には行動時のキーワードや感情を
  • 「生活価値のエリア」には行動や感情の背景にある価値観を記述します。

カードを作成後、関連性の高いカードをグループ化し、色分けや矢印を用いて関係性を明確にします。例えば、価格に関する不満や要望をまとめたグループや、製品の使いやすさに関する意見をまとめたグループを作成します。KJ法を用いることで、大量のデータを整理し、問題点や解決策を体系的に把握することができます。

データ整理の注意点

データ整理を行う際には、データの代表性と品質に注意する必要があります。デプスインタビューは、少数の対象者から深い情報を得るのに適していますが、対象者の偏りによって結果が歪む可能性があります。そのため、統計的なサンプルサイズを確保し、多様な属性を持つ対象者を含めることが重要です。

例えば、観光タクシーサイトのリニューアル案件では、既存顧客だけでなく、競合会社の顧客も対象に含めることで、より客観的なデータを得ることができます。また、文字起こしの精度も重要です。不正確な文字起こしは、分析結果の信頼性を損なう可能性があります。複数の担当者による確認や、AIによる自動文字起こしを活用し、精度を高めることが推奨されます。KJ法を用いる場合、大量のデータを扱うため、データの整理に時間がかかることがあります。カードの色分けやイメージ図の作成など、工夫を凝らすことで、効率的にデータを整理することができます。

分析・レポート作成時の注意点:信頼性と客観性の確保

定性調査レポートの信頼性と客観性を確保することは、調査結果の価値を高める上で不可欠です。ここでは、データの正確性、客観的な分析、詳細な情報提供という3つの重要な側面から、注意すべきポイントを解説します。

データの正確性

定性調査におけるデータの正確性は、レポートの信頼性を左右する根幹です。発言や回答の記録には、録音機器や自動文字起こしツールを活用し、正確な記録を心がけましょう。

特にインタビューにおいては、調査者の主観による記述ミスや伝聞による情報の歪みを防ぐため、自動文字起こしツールの利用が推奨されます。収集したデータは、ExcelやWordを用いて書き起こし、グループごとに整理することで、傾向やパターンを把握しやすくします。データの再確認も重要であり、複数の調査者がデータを検証することで、信頼性を高めることができます。

データの収集元が明確であるか、記録方法に誤りがないかなど、細部にわたる注意が必要です。例えば、インタビュー対象者の属性情報(年齢、性別、職業など)を記録し、発言内容と紐付けることで、より深い分析が可能になります。

客観的な分析

客観的な分析を行うためには、調査者の先入観や偏見を排除することが不可欠です。データ分析においては、調査師の主観を避け、データそのものが示す傾向を重視しましょう。

そのためには、調査結果を他の調査者と共有し、多角的な視点を取り入れることが有効です。関係のない情報を除外することも重要であり、調査結果に直接関係のない情報は、客観性を損なう可能性があるため、別のレポートにまとめるなど、適切な対応が必要です。

例えば、ある製品に対する顧客の満足度調査において、顧客の個人的な趣味嗜好に関する情報は、製品の評価とは直接関係がないため、分析対象から除外すべきです。常にデータに基づいた解釈を心がけ、客観的な視点を維持することが、信頼性の高いレポート作成につながります。

詳細な情報提供

レポートに詳細な情報を提供することは、読者の理解を深め、調査結果の説得力を高める上で重要です。具体的な事例や引用を積極的に交え、データがどのように整理・分析されたのかを示すことで、読者はデータに直接触れることができます。

例えば、顧客インタビューの引用を掲載する際には、発言者の属性情報(年齢、性別、職業など)を併記することで、発言の背景を理解しやすくなります。また、統計データを用いる場合には、データの出典元を明記し、データの信頼性を担保することが重要です。

調査結果の解釈においては、具体的な根拠を示し、論理的な説明を心がけましょう。詳細な情報提供は、読者にとって有益な情報となり、レポートの価値を高めます。事例を交えることで読者の理解が深まります。

定性調査レポートの質を高める分析方法

定性調査レポートの分析方法として、アフターコーディング、要素抽出、上位下位関係分析を活用することで、データからより深い洞察を得ることが可能です。

アフターコーディング

アフターコーディングは、定性調査で得られたデータにコードを割り当てる分析手法です。調査対象者の発言を要約し、意味のあるコードを付与することで、データの構造化と整理を促進します。

具体的な手順としては、まずインタビュー記録やテキストデータを読み込み、発言内容を理解します。次に、発言内容を最も適切に表すキーワードやフレーズをコードとして割り当てます。例えば、顧客満足度に関する発言には「満足」、不満に関する発言には「不満」といったコードを設定します。

コードを付与する際は、発言のニュアンスを捉え、多義的な解釈を避けることが重要です。事例として、ある製品に関する顧客インタビューで、デザインに関する発言に「デザイン」、機能に関する発言に「機能」というコードを付与します。これらのコードを元に、発言内容を「デザイン:満足」「機能:不満」のように整理することで、製品の強みと弱みを明確に把握できます。

アフターコーディングは、発言内容を構造的に把握し、パターンやテーマを見つけ出す上で有効な手法です。

要素抽出

要素抽出は、定性データから重要な要素を特定し、それらの特性を理解するための分析手法です。このプロセスでは、インタビュー記録やテキストデータから、調査目的に関連するキーポイントやテーマを抽出します。

具体的な方法としては、まずデータを詳細に読み込み、頻出するキーワードや概念、意見などを特定します。次に、これらの要素を相互に関連付け、カテゴリ化することで、データ全体の構造を明らかにします。例えば、顧客の購買行動に関する調査では、「価格」「品質」「ブランドイメージ」といった要素が抽出されることがあります。これらの要素を分析することで、顧客が購買を決定する際の重要な要因を把握できます。

要素抽出のテクニックとしては、データの可視化が有効です。キーワードを頻度順に並べたワードクラウドや、要素間の関係性を示すネットワーク図などを用いることで、データの全体像を把握しやすくなります。

要素抽出は、データに埋もれた重要な情報を引き出し、戦略的な意思決定を支援する上で不可欠なプロセスです。

上位下位関係分析

上位下位関係分析は、データ間の階層構造を明らかにし、要素間の重要度を評価する手法です。この分析では、まずデータから主要な要素を抽出し、それらを重要度や影響力の観点から階層的に配置します。

例えば、顧客満足度をテーマにした調査では、「総合満足度」を最上位に置き、その下に「製品品質」「価格」「顧客サポート」といった要素を配置することが考えられます。さらに、「製品品質」の下には「耐久性」「デザイン」「機能性」といった具体的な要素を配置します。

上位下位関係分析の活用例として、顧客ニーズの深掘りがあります。顧客が重視する要素を特定し、それらの要素が下位の要素にどのように影響を与えているかを分析することで、顧客ニーズの本質を理解することができます。

データ間の関係性を明らかにする方法としては、構造図やツリー図を用いることが効果的です。これらの図を用いることで、要素間の依存関係や影響の大きさを視覚的に把握することができます。

上位下位関係分析は、複雑なデータ構造を整理し、意思決定に必要な情報を明確にする上で非常に有効な手法です。

おわりに

定性調査の結果を分析し、レポートを作成することは、顧客理解を深め、事業を成長させる上で非常に重要です。記事で紹介した手順や分析方法を活用することで、より質の高いレポート作成が可能になります。

さらに、FindVoxのようなツールを利用することで、定性調査のプロセス全体を効率化し、今まで以上に深いインサイトを得ることができます。ぜひFindVoxを試して、顧客理解を深め、ビジネスの新たな可能性を発見してください。

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お知らせ

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参考文献

2025年06月14日に最終更新
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